わたしは長い時間、
誰も信じない、
家族さえも信じないという殻の中にいました。
愛してくれる夫や子供にさえ、
心の奥には触れさせないようにしていたのだと思います。
そんなある日、
夫と娘の会話の中から、
夫が何気なくこんなことを言いました。
「みんなが心から楽しんでいる姿を見ることが、
俺は一番幸せなんだよ」
その言葉を聞いたとき、
家族の笑顔に包まれている時間は
過去も今も同じなのに、
夫はずっと同じ想いを
伝えてくれていたのかもしれないと、
ハッとしました。
その瞬間、
胸の奥がじんわりと温かくなり、
心のバリアが
自然に解凍されていく感覚がありました。
今までどんな会話をしてきたんだろう。
もしかしたら私は、
夫の気持ちに
初めて触れたのかもしれない。
自分だけが大変だと思い込み、
殻に閉じこもってきた日々。
でも当たり前の日常の中で、
何も言わず、
ただそばにいて
寄り添ってくれていた。
その事実に気づいた瞬間、
涙が滲み出てきました。
わたしは、
「家族のために幸せを感じる食事を作ることが
私の幸せ」
そんな一歩通行の想いだけを
伝えてきました。
でも夫は夫なりに、
ずっと愛情を
伝えてくれていたのだと
気づいたのです。
それから、
夫との会話が増え、
家族で笑い合う時間が増えました。
これを作りたかったんだよね。
そんな想いに、
ようやく気づくことができました。